健康支援トピックス

2014/01/14

乳がん死亡率が初めて減少

これまで増加が続いていた乳がんの死亡率が初めて減少に転じました。検診による早期発見、治療法の進歩が寄与したと考えられています

乳がんにかかる人は、いまや14人に1人。死亡率も年々増加していましたが、2012年に初めて減少に転じました。どのような理由が考えられるのでしょうか。

乳がんの死亡率は、1965年には人口10万人あたり3.9人でしたが、その後上昇を続け2011年には19.7人と過去最高を記録しました。食生活の欧米化や出産しない人が増えたことなどが増加の要因として指摘されてきましたが、2012年は19.4人と初めて減少に転じました。

死亡率が減少した原因としては、検診による早期発見、早期治療、治療法の進歩などが挙げられます。マンモグラフィ検診の受検率はまだ30%台に止まっていますが、ピンクリボン運動を始めとする乳がんの啓発活動は年々広がりをみせています。今後、受検率が上がれば、さらに死亡率の減少につながるのではないかと期待されています。

日本でマンモグラフィ検診が導入されたのは2000年。2004年には対象年齢が40歳に引き下げられ、ほとんどの自治体で低い自己負担額で検診を受けられるようになっています。自治体検診ではなく、直接病院やクリニックでマンモグラフィ検診を受ける場合は自費扱いとなり、1万5000円前後の負担です。

治療法の選択肢も広がってきました。手術では乳房を温存できる割合が増え、切除後に人工乳房により再建する場合にも健康保険が使えるようになりました。また、乳房切除後の補正下着やパッドなどの選択肢も増えています。さらに、がん細胞への選択性が高い分子標的薬も登場しており、新しい治療薬の研究開発も進められています。

乳がん検診と併せて、普段から自分で触診を行う習慣を身につけておくと、わずかな変化にもいち早く気づくことができます。早期に発見できれば、命だけでなく乳房も温存できる可能性が高くなります。検診と自己チェックを定期的に続けていくことが大切といえるでしょう。



監修:中村クリニック院長 中村理英子