健康支援トピックス

2014/01/14

コンタクト装用者の角膜炎

コンタクトレンズやレンズケースがアメーバで汚染されていることが原因となり、失明の危険も。正しいレンズケアと使用法を守ることが重要です

最近では、視力矯正のためだけでなく、おしゃれアイテムとして使用するなど、コンタクトレンズの利用者は急激に増えています。それに伴って、角膜炎も増加していることをご存じでしょうか。

ソフトコンタクトレンズ装用者の若い世代を中心に増えているのが、アカントアメーバ角膜炎です。アカントアメーバは土の中や水の中に普通に存在する微生物の一種。本来は感染しにくい病原体ですが、いったん感染すると重症化し、重度の視力障害や失明の危険があります。

角膜は黒目の部分で、0.5mmほどの厚さの透明な組織です。外からの光を屈折させて網膜に像を結ぶ働きをしています。アカントアメーバ角膜炎は、この角膜部分にアカントアメーバが感染することで発症します。

涙が出る、赤く充血する、激しく目が痛むなどの症状がみられますが、真菌性角膜炎や角膜ヘルペスなど、ほかの角膜感染症とも症状がよく似ているので、診断がつきにくい病気です。

患者の約8割がコンタクトレンズ装用者で、そのほとんどはアメーバで汚染されたコンタクトレンズやコンタクトレンズケースが原因です。アメーバは角膜の小さな傷などから角膜実質に侵入します。

アメーバに対する治療薬はないため、治療では抗真菌薬が用いられます。症状に応じて感染した角膜を削り取る治療を行う場合もあり、根治には時間がかかります。角膜移植をする以外に、治療法がなくなることもあります。

本来アメーバは感染しにくい病原体なので、レンズのケアが正しく行われていれば、感染の心配はほとんどありません。ですから、何より日ごろの予防が大切です。汚れた手指で扱う、洗浄や消毒をいいかげんにするなどしていると、知らないうちにアカントアメーバやその他のウイルス、細菌や真菌などに感染してしまうおそれがあります。

とくに、1日、1週間、1か月など使用期限の決まったソフトコンタクトレンズを、期限を超えて使い続けたり、単回使用のものを再使用したりするのは危険です。また、レンズの「こすり洗い」は省略しないようにしてください。

コンタクトレンズは本来医師の処方せんが必要な高度管理医療機器ですが、使用者の広がりにつれ医療機器という意識が低くなっています。また、レンズのケア用品が進んで管理が簡単になったことで、かえって正しいケアを怠ってしまうケースが増えていることを患者増加の背景として指摘する専門家もいます。

コンタクトレンズは、デリケートな目に直接触れるものですから、取り扱いや衛生管理には十分気をつける必要があります。また、角膜に小さな傷などがついていないか、眼科医の定期的な検診を受けましょう。

目の痛みやかゆみ、充血、ゴロゴロ感など異常が生じたらレンズの装用は中止して、医師に診てもらってください。大切な目がアカントアメーバなどにおそわれ、光を失ってしまうことのないように、家族や友人同士でも注意しあうようにしましょう。



監修:梶田眼科院長 梶田雅義