健康支援トピックス

2013/12/18

ストレスによる胃の不調

胃粘膜に炎症や潰瘍がないのに、痛みやもたれなどの症状が現れます。ストレスをうまく回避することが大切です

胃の痛みや胃もたれなどの自覚症状があるのに、内視鏡やX線検査を受けても異常が見つからないことがあります。どうして、このような不調が起こるのでしょうか。

心配事があるときや強烈なプレッシャーを感じるときなど、「胃が痛いくらいの」という表現をします。胃や腸などの消化器は、精神的、心理的な影響を受けやすい臓器です。実際に、ストレスで胃が痛んだという経験を持つ人は少なくないでしょう。

胃神経症は心の状態によってさまざまな症状が表れるもので、上腹部不定愁訴といわれる場合もあります。内視鏡などで胃を検査しても軽い炎症が見つかる程度で、大きな異常がない場合が当てはまります。

原因としては、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れ、胃粘膜を保護する粘液の分泌が低下したり、蠕動運動が低下することが考えられます。

症状は胃の痛みやもたれ、胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気や嘔吐のほか、下痢や便秘、体重の減少、倦怠感、不眠などさまざま。胃の痛みや不快感で慢性胃炎と診断された方の中にも、胃神経症の人は多いと考えられます。

正確な診断には、X線検査、内視鏡検査などを行い、胃がんや胃潰瘍などがないことを確認することが必要です。治療には、胃酸の分泌を抑える薬や胃粘膜を保護する薬などが用いられますが、ストレスを上手に回避して過労を避ける、睡眠を十分にとるといった、生活面の見直しも欠かせません。

家庭や職場などでは、できるだけストレスの軽減に努めましょう。心配事などは一人で抱え込まないようにすることが大切です。すぐに問題が解決しなくても、うまく気分転換を図れれば、気持ちが軽くなり症状も落ち着いてきます。

胃の器質的な異常はなくても、働きや機能が低下している状態ですので、放置せずに早めに対処しましょう。精神的要因が大きい場合は、抗うつ薬や抗不安薬が効果的な場合もあります。



監修:横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義