健康支援トピックス

2013/12/18

医療ソーシャルワーカーって

医療ソーシャルワーカーは患者さんのさまざまな相談に応えてくれる専門職。病院や介護施設、保健所などで患者さんと家族を支援しています

大病になったり、家族が突然入院したりすると、患者さんや家族はさまざまな問題に直面します。そんなとき、誰に相談すればよいのでしょうか。

入院中に困ったことがあったら、まずは病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談してください。MSWは患者さんや家族の悩みに耳を傾けて信頼関係を築き、相手が何を求めているかを理解したうえで、必要な情報を提供したり、今後のサポート体制を整えたりしてくれます。

MSWが対応する相談は、療養に関するものから社会、経済、心理的な問題まで多岐にわたります。相談内容として多いもの、支援の内容は以下のようなものです。

「病気や治療上の心配、療養の悩みがある」
医師や看護師などを紹介し、適切な受診をサポートします。急性期病院からリハビリ病院や療養病院、介護施設などへの転院の支援も行います。病気ごとの相談窓口やサポート団体も紹介してくれます。

「医療費や生活費が心配」
さまざまな社会福祉制度の情報を提供するほか、必要であれば相談窓口との連絡や調整を行います。また、窓口での自己負担が高額になる場合には、医療保険の高額療養費制度についての説明や手続きの方法も教えてくれます。

「家族や仕事、生活などが心配で、入院するのが不安」
医師や看護師への相談や、家族間での話し合いなどを調整して不安を取り除きます。子育て中の場合は受けられる公的サービスの紹介をしたり、仕事の不安に対しては、職場の上司や担当者と面接するケースもあります。

「退院して生活できるか心配」
介護保険や障害者支援などの制度の説明、活用に関するアドバイスに加え、ケアマネージャーへの連絡なども行います。そのほか、買い物サポートなど、地域のネットワーク作りも手伝います。

こうした重要な役割を担っているにもかかわらず、MSWはまだ資格化も法的規定もなされていません。ほとんどが社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格で働いており、その配置は施設によって異なるのが現状です。

その一方で、社会的入院(退院の受け皿がないため、長期間入院している状態)が問題視され、国は平均入院日数を減らすように指導しています。当然、社会復帰や在宅療養、介護施設への転院等の必要性は高まっており、MSWが重視されるようになっています。

患者さんや家族の悩みは千差万別です。病気や療養生活で悩んでいるなら、まずはMSWに相談してみてください。



監修:東京医科大学病院 総合診療科 原田芳巳

「ケータイ家庭の医学」2013年11月掲載より