健康支援トピックス

2013/11/29

口の中も老化する

歯がすり減る、唾液の量が減る、噛む力や飲み込む力が弱くなる、歯周病で歯が抜けるなど、いろいろなトラブルが

年をとると、口の中も知らず知らずに老化していきます。どんな症状が出て、どんなトラブルが生じるのでしょうか。少しでも防ぐ方法は?

口は体に必要な栄養素を取り込む重要な器官です。噛む機能がしっかりしていると内臓での消化・吸収がスムーズに進みますし、また、噛むことによって脳が刺激され、老化防止にも役立ちます。一方、口の中の状態が悪くなると、栄養摂取だけでなく味覚や食事の満足感にも影響し、QOL(生活の質)が低下します。

口の中の老化には、歯の老化と歯以外(歯周組織、筋肉、唾液腺など)の老化があります。歯そのものの老化では、歯がすり減ったり、歯のエナメル質が薄くなって欠けやすくなったりします。

歯以外の組織で問題になりやすいのは、歯肉がやせて歯ぐきがむき出しになり、歯がのびたように見える状態です。歯根が露出してしまうと歯周病のリスクが高まり、歯の喪失率も高まります。

老化による唾液の減少も大きな影響を与えます。唾液は消化のほか、口腔内の殺菌や洗浄、口内粘膜の保護などに働いており、唾液が減ると口の中の衛生状態が悪くなるため、むし歯や歯周病、口内炎、舌炎、ドライマウスなどを起こしやすくなります。また、口臭がひどくなったり、食べ物を飲み込みやすい状態にできなくなったりします。

食べ物を噛んだり飲み込みにくくなると、食事の楽しみが減るだけでなく、のどに食べ物を詰まらせたり、誤嚥したりしやすくなります。食事には口のまわりのさまざまな筋肉も関係しています。普段からよく噛んで食べ、筋肉の働きを十分に維持しておくことが大切です。

目に見える重大な変化としては、やはり歯の喪失でしょう。歯を失う原因は歯周病が4割、むし歯が3割で、特に中高年の抜歯の原因として歯周病が増加しています。

歯を欠損してしまうと、あごのスムーズな動きや咀嚼にも影響します。噛むための筋肉が衰えてきますし、唾液の分泌も悪くなります。そのため、口の中の老化を食い止めるには、何よりも歯周病の予防が大切なのです。

歯周病はいきなり起こるわけではありません。口腔ケア(歯磨きによる歯垢の除去、定期的な歯石の除去)が不十分だと、歯と歯肉の間に歯周ポケットができ、細菌が入り込んで炎症を起こします。ひどくなると歯ぐきが腫れて血や膿が出るようになり、最後には歯を支えている歯周組織がグラグラになり、歯が抜けてしまいます。

歯周病は肺炎や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などとも関係しています。全身の健康のためにも、10~20歳代からしっかり口腔ケアをする習慣を身につけましょう。毎年、定期的な歯科健診を受けることも大切です。

(監修:松下歯科医院院長 松下和夫)