健康支援トピックス

2013/10/30

処方薬の依存症に要注意

医療機関で処方された抗不安薬や睡眠薬、市販薬の服用過多で依存症に陥る人が増えています

普段服用している薬を必要以上に飲み過ぎてしまうことはありませんか? 医師の処方で決められた用量を超えてしまうことが続くなら、依存症かもしれません。 

薬物依存の原因として、睡眠薬や抗不安薬などの医薬品は覚せい剤に次いで第2位となっています。麻薬、覚せい剤などの使用は犯罪ですが、自分が普段服用している処方薬や薬局で買える市販薬は、抵抗感がないまま飲み過ぎてしまい、いつのまにか薬物依存に陥ることがあるのです。

特に古くから処方されているベンゾジアゼピン系の薬剤でその依存性が指摘されており、社会不安障害などに対してはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使われることも増えてきました。

ただし、依存性のあるベンゾジアゼピン系の処方は減っていないのが実情です。依存性に気づかずに長期間にわたって服用していたり、薬を減らしたり止めたりする際の離脱症状に苦しむ患者が多いことが問題視されています。

精神疾患の治療では、薬物療法と精神療法などの併用が効果的であることがわかっていますが、実際は薬を処方するだけの医療機関も少なくありません。日本の処方薬依存の増加は、医師の安易な長期処方も原因している、多剤大量処方が問題、と指摘する声もあり、日本精神神経科学会や日本うつ病学会などでは、注意喚起を重ねています。

一方、症状の背景にある問題の解決に取り組もうとせず、安易に薬で対処しようとする患者さんも多いようです。自分の思った通りの効果が出ないと「効かない」といって、自己判断で服用量を増やしたり、欲しい薬を求めてドクターショッピングを繰り返す人もいます。

病院で処方された合法的な薬という安心感が盲点となって、処方薬依存は相当数に上ると推測されています。特に自分では依存症に陥っていることに気づきにくいため、家族や周囲の人が気づいてあげることも大切です。

医師の指示量を超えて薬を服用するようになったら、依存症かもしれないと考えて早めに医療機関に相談してください。離脱症状は心身の多岐にわたって現れるため、依存症の治療を専門に行う医療機関は限られています。自助グループなどもありますので、治療ではそうしたサポートを積極的に受けることも考えてみましょう。



監修:横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義

「ケータイ家庭の医学」2013年10月掲載より