健康支援トピックス

2013/09/06

ネット依存症チェック!

重症になると、中断による禁断症状や、社会生活・人間関係が障害されることもある見逃せない病気

インターネットの普及とともに、気がつけばわが国でも270万人以上といわれるネット依存症。他の依存症と同様に精神的な不安やイライラがつのり、禁断症状が現れたり、社会生活が送れなくなったりと、重症化すると深刻な事態を招きます。しかし、本人がなかなか病気の自覚を持てないことも事実。あなたは大丈夫ですか?

インターネットを利用しつづけ、自分の意思で中断することができない「(インター)ネット依存症」は、厚生労働省の2008年の報告で、270万人以上にその傾向があると推定されています。厄介なのは、他の依存症と同じように、ネット依存症になっているという自覚が本人にないことです。

ネット依存症になると、どのような症状が現れるのでしょうか。依存症というとアルコールがよく知られていますが、ネット依存症でもネットが「切れた」ときに、さまざまな症状が現れます。

精神的に落ち着きがなくなる、イライラする、不安でたまらなくなる、他のことに手がつかなくなる、ゆううつになるなどです。1日でも携帯を持たない、つながらない環境におかれるとパニックを感じ、そのことにとらわれてソワソワしてしまいます。

さらに、ネットを続けるために、引きこもる、人との付き合いを嫌う、家族とも話さなくなる、仕事や学業がおろそかになる、通常の日常生活が送れなくなるなど、社会性にも影響が出てきます。

そして、満足に食事をしないために栄養失調になったり、パソコンなどの前に座りきりとなるために、運動不足による筋力の低下や長期的には骨粗しょう症を招くなど、身体面でもダメージが現れるようになります。

ネット依存症の人が夢中になるものは、SNSやチャット、メール、オンラインゲーム、動画サイト、オークション、ショッピングなど、個人によってさまざまです。メールやチャット、ゲームなどのようにネットの向こうに相手がいる場合もあれば、1人の場合もあります。また、パソコンだけでなく、携帯電話やスマートフォンでも同じような状況が起こります。

私はそんなにやってない、ほどほどの時間しか見ていないから大丈夫、と思っていても、ネット依存症に近い状態かもしれません。次の簡単なチェックをしてみてください。

(1)ついメールを何度もチェックしてしまう
(2)しょっちゅうツイッターに書き込んだり、他人の書き込みが気になってしまう
(3)目的もないのにインターネットをしている
(4)チャットにはまったことがある
(5)早く家に帰ってオンラインゲームをしたい、動画を見たい
(6)ネットを始めるとコントロールできず、延々やってしまう
(7)ネットをしていないときにも、ネットをしたいという強い欲求を感じる
(8)ネットに夢中になって、家族や友人との関係が壊れたことがある
(9)ネットを始めると食事や睡眠を削ってしまう
(10)ネットに夢中になって仕事や学校に行かないことや約束を破ったことがある
(11)何をおいてもネットを最優先したい
(12)ネットを中断すると精神的な症状が現れる(禁断症状)

(1)から(12)にいくほど、重症度が高くなっています。(1)~(5)にチェックが入った人は、ネット依存症になる危険性が高いといえるでしょう。(6)~(12)の項目に1つでも当てはまるようなら、すでにネット依存症にかかっているかもしれません。一度、精神科やメンタルクリニックを受診してみてください。

インターネットはいまや、ビジネスツールとしても家族や友人とのコミュニケーションツールとしても欠かせないものになってきていますが、あくまでも人間が使う道具であり、自分の意思でコントロールできることが使用の前提です。

電車の移動中はともかく、歩行中や運転中、食事中や入浴中、会話中、ベッドに入ってまでネットを手放しがたく、休日になるとほぼ一日やってしまうこともある、自分でもちょっとマズイと思い始めている方は、依存症の予備群といえます。

最近はネット依存症を専門的にみる機関も増えてきています。他の疾患と同じように、やはり早期治療が必要です。自己チェックに加えて、周囲の人の気づきも大切です。



監修:横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義

「ケータイ家庭の医学」2013年8月掲載より